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2011年12月25日日曜日

音戯の国(オトギノクニ)の音楽会。「不思議美術家」松本秋則さんの「音具」展覧会開催中@川口市立科学館(SKIPシティ)。空中を舞い、思い思いに踊る作品達が奏でる音楽は、なかなか癒やされます。


埼玉県の川口にはスキップシティというコンプレックスがあり、県立映画博物館や県立生活科学センター、県立産業技術総合センターといった、某大阪方面の県知事や市長なら真っ先に仕分けされかねない施設が集まっています。もともとNHKの放送局があった場所を再開発したので、妙に広々とした空間に、巨大なパラボラアンテナがキノコのように並んでいたりします。


このコンプレックスには川口市立科学館もあって、現在、素敵な展覧会が開催中です。題して「音戯の国の科学館」。




この会場は子供達を対象にした科学館なので、不思議な科学現象を引き起こす実験道具、設備が色々と置かれていますが、その入り口付近に、空からいろんなものがぶら下がっています。そして、のんびり、ゆっくりと漂っています。あるものは風に流されるまま。あるものは、自分でプロペラを回して、円運動。





中には、時々目を覚まして、コロコロコロと音をたてるモノがいます。これは横回転して、竹の風鈴のような音をたてます。




 あるいは、地面の上に置かれているものが、突然くるくると回転して、小型シシオドシのように音を出すのもいます。このこは、風車のように回転。

作品ごとにスイッチが入るタイミング、長さががばらばらになっているので、森の中のあちこちで鳥が囀り始めるように、あっちでコロコロ、こっちでカタカタ音が聞こえます。

爆竹みたいに、ぱちぱちはじけたようになります。

これは横回転。

音をたてながら飛んでます。

たくさんたくさん飛んでます。

 会場に置かれた解説パネルによると、作者の松本秋則さんは、風、水、太陽光などの自然の力や、人力、モーター等の動力を利用した様々な「メカ」(機構・装置)により音を奏でる「音具」(サウンドオブジェ)を制作している方だそうです。作品を見ていて(聞いていて)、ジャワやバリの農村で聞こえてくる竹などでできたおもちゃや飾りを思い出しましたが、実際バリでもプロジェクトをやっているそうです。1992年から1年半、アジア7ヶ国を巡り少数民族の芸能を研究、と書いてあったので、インドネシアも訪れたのでしょうね。

動く彫刻というと、パパタラフマラの美術も担当していた田中真聡さんの「キネティックアート」のことも連想しましたが、同じ繊細な動きを見せるにしてもあちらは金属のメカという感じだけど、松本さんのは竹とんぼとか竹飛行機、シシオドシに近い。きっととても繊細な工夫がなされているのでしょうが、見て、聞いていると、気分が落ち着いてきます。

川口市立科学館様、なかなかいい展覧会です。もう少し、本格的「美術」展覧会の演出もできたのでしょうけど、子供達が楽しめるという意味では、今のような形も悪くないですね。

今後も、事業仕分けにもめげず頑張っていただきたい(そういう目にあっているのかどうか存じませんが)。

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